片親に子供を連れ去られ、役所、児童相談所、警察署などの行政機関に相談しても、「夫婦の問題は取り扱えない」と理解されずに突き返された方は、たくさんいらっしゃると思います。そして、妻ともまともな話し合いすらできない。もう、絶望感でいっぱいになり、「死」を意識した方は、私だけではないと思います。
私はこれらの結果、「適応障害」を発症しました。実は、発症したのは２回目で、１度目は１０年以上前にパワハラ被害で発症しました。今でこそ、大企業から中小企業まで、「パワハラ防止対策義務化」が施行され、職場におけるパワーハラスメント対策が義務化されました。つまり、パワハラ自体が世の中できちんと認識されました。
しかし、発症１回目の当時は、パワハラを含めたハラスメント自体の認知度が低く、周囲から理解されないこともありました。幸い、その時は、私は、年齢的に若かったこともあり、心療内科の受診は１回だけで、服薬治療により、すぐに回復しました。
ところが、今回は全く違いました。夜も眠れない、食欲もない、テレビも書籍もスマフォも見ることができない。目眩がひどく、職場での会議中の内容も頭に入って来ない、そのような状況がしばらく続きました。
私は早期に心療内科を受診したものの、４０歳を目前にして、隔週で、診察やカウンセリングを受けて、１年が経過して、やっと体調が元に戻ってきたとの感触を得られるようになりました。励ましてくれた、職場の役員、上司、同僚をはじめ、家族、親族、友人には、本当に感謝しています。
もともと、「適応障害」自体は、かなり前から心療内科でも診断されている精神疾患ですが、世の中においては認知度が低い精神疾患でした。精神疾患なのに、怠け者扱いされていました。昨年の夏以降、多くの有名人が「適応障害」を発症したことで、急激に認知度が上がり、世の中においても正しく認識されるようになりました。
「適応障害」とは、「大うつ病」と一緒に括られて認識されていることが多いですが、全く違います。ストレス源がはっきりしていて、そのストレス源が取り除かれれば、うつ症状も治る病気です。一方で、「大うつ病」は、原因がはっきりせず、生きていること自体が悲しいと感じる精神疾患です。現代において、「うつ病」と言っても、ほとんどの人が「適応障害」であることが多いようです。
しかし、油断は禁物です。「適応障害」は、そのまま放置しておくと、「大うつ病」やその他の精神疾患を合併する可能性があります。だから、「最近、うつ症状が出ているな」と思ったら、すぐに心療内科を受診することをオススメします。
心療内科を探す際は、①口コミが良い病院、②カウンセリングがある病院、③継続して通える範囲にある病院（自宅や職場近く）の３点をすべて満たす病院を探すと良いでしょう。人気がある病院は、初診でも１ヵ月程度待たされることがありますが、申し込んだ方が良いです。
この１年間、私にとって、人生の中でも最も辛い１年間でした。妻には、私の病気を伝えていますが、当然、きちんと理解しているなんてことはありません。私が病気で苦しんでいる中で、一方的に、調停や裁判を起こしてきて、事実と異なる主張を展開し、しつこく金銭の要求をしてきました。すべて反論した結果、妻は一言も反論できていません。この中で、徹底的に調べて、判明したこともたくさんあります。それは、また時期を見て、お伝えしたいと思います。精神疾患を患うだけでも、精神的に辛い状況なのに、そこに、調停や裁判など、尋常じゃないストレスを抱えながらの１年間でした。まだ、戦いは続いています。
担当の臨床心理士からは、「Miwaさんは、よくこんな理不尽な状況で、平常心でいられましたね」と言われました（笑）私は、すかさず、「平常心ではないから、今、ここ（心療内科）にいるのです」と言って、お互いに笑いました。振り返ってみると、臨床心理士が言う通り、よく頑張ってきたな、忍耐してきたなと思います。
「子を連れ去られた」当事者にならなければわからないことは、たくさんあります。心身共にボロボロになるし、裁判所や警察署に“正義”なんてありません。絶望感を味わうこともあるでしょう。「死」を意識することもあるでしょう。私も現在も係争中の身分です。正直、この先、どういった展開になるか、全くわかりません。
しかし、子供たちは必ず待っていてくれています。配偶者は悩乱状態であっても、子供たちは待ってくれています。私は少ない面会交流の中で、そのように実感しました。だから、子供たちのためにも、諦めずに、お互いに一歩ずつ前に進んでいきましょう。
＜オススメ動画＞
適応障害ってなに？【精神科医・樺沢紫苑】 - YouTube
ストレスで鬱になってしまった。「適応障害」って知っていますか？【精神科医が一般の方向けに病気や治療を解説するCh】 - YouTube
誰もが幸福な世の中になるために。
