miwasan0216’s blog

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赤石千衣子氏の主張には、エビデンスがない

 昨日付の毎日新聞の論点「離婚後の共同親権」に、法制審議会家族法制部会委員であり、シングルマザーを支援するNPO代表を務める赤石千衣子氏が登場している。ご存知の通り、赤石氏は、共同親権に根強く反対する人物の一人で、元「ふぇみん婦人民主クラブ」共同代表である。つまり、日本共産党の人間である。安倍元首相が、この人物が総理官邸に出入りしていることを危惧していたほどだ。

 さて、赤石氏の経歴はさておき、政策的観点でこの記事を見た時に、赤石氏の主張は、(A)エビデンス(証拠)に欠けており、(B)独自のバイアスがかかった内容であると感じたので、具体的に指摘していきたい。

 

①「共同養育のための法制度はすでに整っている。現在、面会交流している当事者の多くは、共同親権の必要性を感じていない。」

この主張はエビデンスが提示されていないので、説得力がない。仮に、その後に記載されているアンケート結果を根拠にして主張したところで、アンケート対象者は、赤石氏のバイアスがかかった人たちの意見であり、客観的な証拠にはなり得ない。


②「夫からのDVや虐待が原因で離婚した女性は少なくない。」

この主張もエビデンスが提示されていないので、説得力がない。確かにDVや虐待については、私自身も、容認するつもりも、肯定するつもりも一切ない。しかし、親権制度を議論する際には、離婚原因の全体像を見て判断する必要がある。実際に、DVや虐待が原因で離婚したのは、全体の7%である。したがって、DVや虐待への対応は、DV法などで別途対応する必要があるが、それだけを持って、単独親権を存続させる理由にはならない。


③「シングルマザーサポート団体全国協議会のアンケートでは、共同親権を選ばない人が8割、単独親権に賛成が6割、配偶者から子どもへの虐待があったのは4割であるとの結果が出た」

これも客観的な証拠にはなり得ない。このアンケートの対象者は、シングルマザー、つまり、一人で子供を育てている母親であり、父親との面会交流がどれだけできているのか疑問であり、面会交流をせず、親子断絶に至っているケースもあることが容易に想像つく。したがって、そのようなシングルマザーが、「共同親権を選ばない人が8割、単独親権に賛成が6割」と回答することは当然のことである。また、「虐待があったのは4割」と主張するが、その「虐待」が警察で、児童相談所で、裁判所で認定されたものなのか、エビデンスもないので、甚だ疑問である。「虐待」を容認も肯定もしないが、この現代社会では、虚偽主張を平然と行う人間もいることから、認定されていないのなら、安易に「DVや虐待」を主張すべきではない。


④「養育費支払いと親権は、別の事柄で交換条件でもない」

赤石氏は、親権を獲得した同居親(特に母親)が面会交流に応じていない現実を隠している。日本での面会交流の実施率は、母子世帯で29.8%、父子世帯で45.5%である。つまり、7割のシングルマザーは、元夫と子どもの面会交流を軽視し、応じていない。だから、養育費不払いという問題が生じているのだ。夫はATMではない。だから、共同親権にして夫婦の双方が面会交流できることが重要である。


⑤「オーストラリアや英国などでは逆に共同養育の見直しが始まっている」

共同親権に反対する小川富之氏が発信している内容だが、オーストラリアの主要紙から「間違いである」ことが指摘されている。

legal-ethics.info


 以上の通り、赤石氏の発言には、エビデンスが欠落し、自分の都合のいいようにバイアスをかけている主張ばかりで、客観的証拠に基づいた主張とは、到底言えない。このような特徴は、はっきり申し上げれば、日本共産党特有のご都合主義である。

 

 しかし、この親権問題を単なるイデオロギー論争で終わらせるのではなく、「子どもの福祉」、「子どもの最善の利益」を原点にして、考えていくべきである。少なくとも、赤石氏には、シングルマザーの視点は入っているものの、「子どもからの視点」は何も入っていない。もはや「子どもの利益」を考えていない証左とも言えるだろう。