miwasan0216’s blog

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【第177回国会】衆議院内閣委員会 第11号 平成23年5月20日

共同親権」を取り上げた国会会議録を読んでみました。今回はハーグ条約の締結が中心です。

 

 登場人物:高木美智代 衆議院議員公明党

      福山哲郎 内閣官房副長官

 

○高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。
 きょうは、福山副長官にお越しいただきました。ありがとうございます。
 私は、PFI法の審議に入ります前に、まず、国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約、いわゆるハーグ条約につきまして伺わせていただきたいと思います。
 実は、このハーグ条約を懸念する声は強いものがあります。政府は、ハーグ条約を締結する方針を固めて、本日、閣議了解の手続を終えられたと聞いております。この中では、これから国内法を整備する、その上で条約を締結するという、一見手順を踏んでいるような話でございますけれども、私は、順番が逆ではないかと思っております。
 本来であれば、国内法をまず整備し、特に連れ去り親と言われる日本人女性につきましては、ほとんどがDV被害者という状況がありますので、その当事者の方たちがきちんと守られるのか。日本と諸外国と、共同親権であるとか、かなりの制度の違いもあります。その中で日本はどのようにしていくのか。そうしたことを提示した上で、もしくは方向性をはっきりさせた上で締結に向けての方針を決めるべきではないかと考えております。
 報道の中でも、米国等の諸外国の外圧に屈して政府がハーグ条約を締結する方針を決めるのはおかしい、こういう話もあり、また、そうした声明も私のところにも多く届いております。
 G8でアピールするために、特にフランス、アメリカにつきましては、日本に早期の締結を求めて、強い圧力といいますか要請をされていたということは周知の事実でございまして、日本における十分な国民的議論を尽くすことなく早急に条約の締結を決めるというのは問題ではないかと思っております。慎重な議論を求める声が大きかったのではないかと思います。副長官の答弁を求めます。


○福山内閣官房副長官 高木委員にお答えをさせていただきます。
 御指摘のとおり、いろいろな声があることは私も承知をいたしております。また、私もいろいろな方から、この議論を始める前からお話を承っておりました。もちろん、反対の方、それから賛成の方、子供をやむなく、いろいろな事情で、国際結婚したけれども国内に一緒に帰国をされた方、逆に言えば、日本で結婚していたけれども、自分の子供を海外に連れ去られた方、多くの方々がいらっしゃるので、課題は多いと思っております。
 そういった面でいえば、やはり一番重要に考えなければいけないのは子の福祉だというふうに私は思っておりますので、子の福祉を最優先するという考え方のもとで、七回にわたって副大臣会議を開催し、真剣に検討させていただきました。基本的には、もともと加盟ありきとか、もともと加盟をしないとかということではなくて、ニュートラルな状況で今の国内の情勢や実態を把握したいと思って副大臣会議を開催させていただきました。
 その結果、賛成の方、反対の方、それから日弁連の皆さん等のお話も承りながら、政府としては、ハーグ条約を締結していこうという方針のもとで必要な法案作成作業を進めることで意思統一が図られたところでございます。
 本件については、国内でも大きな関心が寄せられているところでございますし、これまでの検討を踏まえて、この段階では、政府としては、方向性を閣議了解という形で示させていただくことになりました。アメリカの外圧に屈したとかということではございません。しっかりと我々自身の判断として考えさせていただいた、きょうの閣議了解に至ったということでございます。

ハーグ条約締結時に「共同親権」を導入すべきだったのでは?現在、国連のみならず、司法からも条約と国内法の整合性を指摘されている。

 

○高木(美)委員 私が条約締結ありきと申し上げましたが、国内担保法に関する十分な検討が国民に公開されていません。副大臣会合で検討されたとおっしゃいますが、それについては非公開です。どのような検討が行われたのか、どういう方向性を政府が考えているのか。特に民主党政権になってからは、そうした、政治主導という名のもと、本来であれば公開されるべき内容が、経緯が全く見えない。ですから、十分な検討は経ていないというふうに判断せざるを得ません。その上で条約を締結する方針を閣議了解するというのはおかしいと私は思います。
 こうした前例があるのかどうか、伺いたいと思います。

○福山内閣官房副長官 高木委員にお答えをさせていただきます。
 きょうは、あくまでも、条約を締結し、そのための国内担保法に対する骨子というか、こういった考え方で法案を策定しようということの閣議了解をさせていただきました。当然、これから条約の審議や、我々がこれから策定をさせていただく国内の担保法について各界各層からの御議論をいただきますし、何よりも国会で審議をいただくことになるというふうに思いますので、その中で皆さんには御理解をいただきたいというふうに思っております。
 先ほども申し上げましたように、やはりこの問題は当事者の方の意見が重要だというふうに思っておりましたので、賛成、反対の立場からも、専門家の立場からもお話を承りました。先ほど申し上げましたように、これから法案の策定作業を進めることをきょう確認したということでございます。
 そして、先例の問題でございますが、条約の国会提出に先立って閣議了解を行った先例としては、一つの例を申し上げますと、例えば、国連海洋法条約締結及び海洋法制整備についてというのを平成八年の二月の二十日に閣議了解されたという例があるというふうに承知をしております。

ハーグ条約の締結過程に問題があったのか。