miwasan0216’s blog

愛する子供たちのために、理不尽さと闘う父。誰もが幸福な世の中になるために。

棚瀬一代著「離婚で壊れる子どもたち―臨床心理家からの警告」

             

 日本における「共同養育」を提唱する第一人者であった、故・棚瀬一代氏(神戸親和女子大学発達教育学部の書籍「離婚で壊れるこどもたち」を紹介したい。欧米の単独監護から共同監護への歴史的経緯の他に、臨床心理士としての鋭い見解を述べている。

 

 欧米では50年前に「共同監護法」が成立している。共同監護法成立の背景には、母性優先の単独監護時代に、共同監護を実践していたパイオニア的な存在がいた。私も、パイオニア的存在を目指して頑張ろうと決意している。

 

books.rakuten.co.jp

 

  • 共同監護(共同養育)は、「子どもの精神的な健康にとって決定的に重要」であり、「子どもの最善の利益に適う」ものである。

(ワラスティンとケリーはその実証研究の中で)離婚後の子どもと別居親である父親との頻繁かつ継続的な接触の重要性、特に、別居親である父親と良い関係を継続することが、子どもの精神的な健康にとって決定的に重要であることを指摘した。それとともに、離婚後の監護形式というのは、「母親に単独監護権、そして父親に相当なる面会交流権」といった単一の形である必要はなく、離婚当事者の事情に応じて、柔軟かつ多様な取り決めがあってしかるべきだと主張した。

 

私が一九八四年に、カリフォルニアのバークレーで離婚後の実態調査をしていた時に出会ったマイク(五歳)(中略)は(中略)私に次のように話してくれた。「ボクには「二つのいえ』があるんだよ。『パパのいえ』と『ママのいえ』が。でもね、ボクは「一つのいえ』のほうがすきなんだ。いつもパパとママのりょうほうにあえるから......」
こんな子どもたちの思いに最大限近づくことこそが「子どもの最善の利益」に適うことであるとの思いが共同監護(養育)への法改正への動きの背後にはある。

 

この新しい法律(アメリカの共同監護法)の背後にある考え方は、離婚後も両親との頻繁かつ継続的な接触を可能なかぎり子どもに保証していくことが、子どもの最善の利益、つまり子どもの福祉に適うとするものであり、離婚後の子どもの養育に関する考え方が一八〇度の大転換を示したといえる。

 

  • 同居親と別居親の双方で充実した交流をする。そして、重要事項は父母双方が一緒に決定する。

アメリカでは単独監護から共同監護の)法改正後に一番増えた離婚後の子どもとの関わり方は、日常的には母親が子どもの世話をし、父親とは平均して隔週末ごとに二泊三日の面会交流をし、子どもに何か教育や医療の問題で決断しなくてはいけないようなことが生じた場合には、両親が離婚後も一緒に決定していくという関わり方である。