miwasan0216’s blog

愛する子供たちのために、理不尽さと闘う父。誰もが幸福な世の中になるために。

青木聡著 論文「面会交流の有無と自己肯定感/親和不全の関連について」


 青木聡教授(大正大学心理社会学部臨床心理学科)の論文「面会交流の有無と自己肯定感/親和不全の関連について」を紹介したい。日本においても、研究結果が出ている以上、共同親権を法制化することが子どもの最善の利益に適っていることは明らかである。

 

 一方で、いまだに、共同親権に反対する人たちが、何を考えているかもはっきりしている。子どものことではない。カネである。

 

oyako-law.org

 

  • 別居親との定期的な面会交流によって、子どもたちの心理状態は良好になる。単独養育よりも、共同養育の方が子どもの適応度が高い。

共同養育の法制化に弾みをつけた非常に有名なウォーラースタインらの縦断的研究(親の離婚を経験した子どもたちを25年以上にわたって追跡した調査)によると、離婚後の生活によく適応し、心理状態がもっとも良好であったのは、別居親と定期的に面会交流を持ち続けた子どもたちであった。逆に、面会交流を実施しなかった場合、子どもは「自己肯定感の低下」、「基本的信頼感の低下(対人関係の問題)」、「社会的不適応」、「抑うつ」、「ドラッグ/アルコール依存症」、「離婚や片親疎外の世代間連鎖」等で苦しむことが報告されている。

    

バウズマンは、離婚後の共同養育と単独養育の比較研究について詳細なメタ分析を行い、「全般的な適応」、「情緒面の適応」、「行動面の適応」、「対人関係」、「家族関係」、「自己肯定感」、「学業成績」、「離婚に対する認識」といった複数の側面において、共同養育の方が単独養育よりも子どもの適応度が高いことを明らかにしている。  

 

  • 「養育プラン」の合意は子どもの健全な成長に欠かせない。

なぜ共同養育の方が子どもの適応度が高いのであろうか。アマトはメタ分析の結果に基づいて、「経済的安定(養育費の支払い)の程度」「元夫婦の協力の程度」が、親の離婚を経験した子どもの適応度に決定的な影響を与える要因ではないかと考察している。この点において「養育プラン」の合意は子どもの健全な成長に欠かせないと考えられる。  

 

  • 離婚を経験した子どもでも、別居親との面会交流を続けている場合、両親のそろっている家族と大差ない。

別居親と面会交流をしていない子どもは、「自己肯定感」が低くなり、「親和不全」が高くなることがあきらかになった。一方、たとえ親の離婚を経験した子どもであっても、別居親と面会交流を続けている場合、両親のそろっている家族の子どもと比較して「自己肯定感」および「親和不全」の得点に差が出ないことも明らかになった。この結果は、離婚後ないし別居中の子育てにおける面会交流の重要性を明白に示している。今回、家族観や離婚観、子育てに関する文化の違いを越えて、欧米諸国の先行研究とまったく同様の結果が得られたことは、非常に重要な意味を持っている。前述のように、欧米諸国ではこうした実証的研究を地道に積み重ね、実証的根拠に基づいて共同養育の法制化に針路を定めた。日本でも同様の調査結果が得られた以上、国際的な常識に倣って子どもの福祉を中心に据え、離婚後の共同養育の法制化を早急に実現すべきではないだろうか。