miwasan0216’s blog

愛する子供たちのために、理不尽さと闘う父。誰もが幸福な世の中になるために。

【第176回国会】衆議院法務委員会 第3号 平成22年10月29日

衆議院法務委員会

共同親権」を取り上げた国会会議録を読んでみました。

 

登場人物:橘秀徳 衆議院議員民主党

     馳浩  衆議院議員自民党

     柳田稔 法務大臣

     小川敏夫 法務副大臣

     小宮山洋子 厚生労働副大臣

 

○橘(秀)委員 おはようございます。民主党橘秀徳です。
 柳田法務大臣、小川法務副大臣、黒岩政務官、御就任おめでとうございます。そして、小宮山厚生労働副大臣におかれましては、御多忙中、御出席いただきまして、ありがとうございます。
 本日は、三点について、児童虐待の防止の問題、それから共同親権の問題について、さらに尖閣諸島の中国漁船衝突事案について御質問をさせていただきます。
 まず、冒頭であります。
 今、法制審議会の方で、部会で民法の親権規定の改正ということを審議されているところでありますが、中間試案が出されて、それにパブリックコメントを出されている段階であります。
 まず冒頭、柳田法務大臣に、こうした親権規定の改正を含めて、児童虐待防止に取り組む抱負あるいは意気込みについてお聞かせいただきたいと存じます。

 

○柳田国務大臣 おはようございます。
 児童虐待、このことは深刻な社会問題となっており、その防止に取り組むことは重要な課題であると私も考えております。来月は児童虐待防止月間にもなっておりますので、いろいろと法務省としても考えること、やるべきことはやっていかなければならないと思っております。
 その中でも、法務省としては、民法の親権制度の見直しについて検討を行っているところでありまして、引き続き、児童虐待防止のために積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

 

○橘(秀)委員 ありがとうございます。
 防止月間ということで、先ほど柳田法務大臣はポケットからオレンジリボンを出されておりました。小宮山副大臣、つけておられます。私もぜひ購入してつけたいと思っております。
 これまで、多くの現場関係者の方々の努力で児童虐待防止対策は前に進んできたところでありました。一九九九年に民主党議員立法をつくっておりまして、このときに既に、親権の一部制限、停止について、特に小宮山先生を中心に前に進められてきたところでございました。やっと念願のこの親権の規定について、十年越しでこれがかなっていくということ、本当にうれしく思っているところでございます。それから、この問題については、超党派で、きょう質問に立たれる馳浩先生、それから公明党では池坊先生共産党さんと、党派を超えて多くの先輩議員たちが取り組まれて、子供の命と未来を守る児童虐待防止法をつくって改正を重ねてきたところであると思います。
 最近、報道各社さんについても、この問題、本当に真剣に取り組まれています。産経新聞さんの方では、江戸時代の日本の虐待の事例が出ていたり、さらに諸外国の法律の制度について事細かく今特集を組まれているところでございます。
 配付資料をごらんください。これは、朝日新聞毎日新聞のおとついの記事でございます。埼玉新聞児童虐待の問題をずっとやってこられた小宮純一さんという方が原作者で、余り名前を言ってどうかと思いますが、来週の週刊少年サンデーで連載が始まるというものでございます。主人公が若い児童福祉司の方で、その活躍を書かれて、実際に、この小宮さん、児童虐待の問題を本当に取材を尽くしてこられて、現場での実際の事件をもとに、今回の作品、フィクションではありますが、ノンフィクションにより近い作品だそうであります。これから子供たちを育てていく少年少女、特に中高生の皆さんが読者層なのでありますが、ぜひ皆さんごらんをいただければと思っております。
 なお、原作の小宮さんときのう電話でお話ししたんですが、小宮山洋子副大臣に実際に会われて、この連載について紹介させていただいたということでございました。小宮山副大臣の就任、大変喜んでおられて、物すごく期待をされておりました。その小宮山洋子副大臣にお伺いさせていただきます。
 平成二十三年度の予算、今、概算要求を各省出されているところで、児童虐待防止の関連予算については、社会的養護体制の充実に七億円の増額要求をされたということを伺いました。予算に児童虐待防止にかける思いをどう反映させていくのか、御答弁をいただきたいと存じます。

 

○小宮山副大臣 橘委員には、児童虐待に大変関心を持っていただいてありがとうございます。
 ずっと超党派でこの法律をつくり、改正をしたところでございますが、御質問にお答えいたしますと、児童虐待への対応など要保護児童対策の充実につきまして、平成二十三年度の概算要求では、今お話にあったように、前年より七億円増の八百四十八億円の要求を行っております。
 このうち、社会的養護体制の充実については、虐待を受けた児童等が入所する児童養護施設や里親などについて受け入れ児童数の拡大を図ること、また、児童養護施設等での小規模グループケアの推進児童家庭支援センターの箇所数の増加ということで百四カ所から百八カ所にいたします。また、心理療法担当職員の常勤化の推進などを盛り込んでおります。児童虐待の未然防止、早期発見、早期対応を図るためには、市町村や児童相談所の体制整備を図るなどの経費も必要で、これも盛り込んでおります。
 また、今年度の補正予算におきまして、安心こども基金の積み増し、延長をしておりますけれども、その中で、児童虐待防止対策、これまで十億だったんですけれども、百億にさせていただきまして、しっかり取り組みたいと思っているところです。
 御紹介いただいたように、来月は児童虐待防止月間で、私もここにオレンジリボンをつけておりますけれども、そのほかに、全国の児相につながる共通番号をつくっているんですね、ところが、その番号が余り知られていないので、これを知らせるためには、名刺大ぐらいのカードをつくって、NPOの方とかいろいろ関心を持っていらっしゃる方がたくさんいらっしゃるので、その方たちに使っていただくようにと私が提案いたしまして、月間の間にはそういうものをつくりますので、またお知り合いのグループなどで配っていただく方があれば教えていただきたいと思いますし、とにかく、番号がわかって、まずそれを通知してもらわないといけない。その後、児相の強化などでしっかり皆さんの御支援もいただいて、予算措置もしていきたい、そのように考えているところでございます。

○橘(秀)委員 どうもありがとうございました。
 本当に頑張っていただいて予算の拡充を図られている、施策も充実をしてきているところと思います。
 ただ、私、かつて松下政経塾というところの現地の研修で、児童養護施設や情緒障害児短期治療施設を回ってまいりました。心理療法士の方も、専門職の方がいらっしゃるんですが、実際は、人手が足りなくて、この方が料理を運ばれたり掃除をされたり、本当に現場はまだまだ人員も予算も足りていないところであります。
 毎日新聞さんの方の記事、終わりの方をごらんいただきたいんですが、児童相談所にしても、児童福祉司の方一人が抱えている案件が大体百件を超えているというまだ状況であります。児童養護施設にしても、先ほど申し上げたとおり、本当に人員、予算も足りないところでありますので、一層の拡充を求めたいと存じます。
 それでは、小川敏夫副大臣にお尋ねさせていただきます。
 法制審議会児童虐待防止関連親権制度部会における現在の進み方のことについて一点。それから、あわせて、部会の中間試案、児童虐待防止のための親権制度の見直しに関してパブリックコメントを行ったところでありますが、この概要について、また、国民や関係機関のコメントをどう生かしていくのか。特に、懸念をされる部分というのは、十八歳から十九歳の児童養護施設を退所されたような後、親権者がアパートを借りるのに同意をしないとか就職の際に同意をしてくれない、あるいは、児童養護施設を出た後に、十八歳、十九歳の子に実際に親がつきまとったり徘回をしたりということ、これが今回の法改正できちんと防げていけるのかということを多くの関係者の方から不安をいただいているところであります。あわせて御答弁いただきたいと存じます。

 

○小川副大臣 お答えします。
 本年八月、九月にパブリックコメントを募集しておりまして、そうした結果を受けまして、明年二月に答申を行って、そして来年の通常国会には法案を提出したい、そのようなことで臨んでおります。
 今御指摘の十八歳、十九歳の点につきましても、委員から御指摘いただいた点、私どもも問題意識を持っておりますので、適正に対応していきたいと思っております。

 

○橘(秀)委員 ありがとうございます。
 私は、審議会の形式ということで非常に質問がしづらいところではあるんですが、やはり関係者の方が懸念されているのは、どうしても審議会というと実際には法務省の民事局さんの方で事務方をされて取り回されていく、どうしても意向が反映をされていく傾向にあると思います。
 例えば、裁判所で実務が膨大で仕事がやりづらくなるとか、そうしたこと、こっちを優先するんじゃなくて、子供の命を守ることと権利を守ること、あと親権の制限については必要なところだけやれるような形で、親子の再統合も含めて、これをぜひ優先していただきたいというのがお願いであります。仮に裁判所のマンパワーが足りなければ、それは増員をしていく、あるいは配置がえをしていく、そうしたことを政治主導で行っていただきたいということを要望させていただきます。
 十一時から厚生労働委員会、小宮山先生、済みません、質問いたします。
 八月五日の参議院予算委員会で、辻泰弘委員の質問に、厚生労働大臣、法律の改正も含めてやらなければならないんじゃないかという答弁がありました。改正児童虐待防止法で、いわゆるかぎを壊して立ち入ることができる、これが可能になったわけでありますが、施行されてから、わずかに三件しかないという状況であります。
 長妻大臣の前向きな答弁から、大臣かわられましたが、これは継続をしていくのか、その方針についてお聞かせください。

 

○小宮山副大臣 児童虐待防止法の二回目の改正は、先ほどお話にあった馳議員などと一緒に私どもしたわけですが、そこで、児童虐待されているおそれがあれば裁判所の許可状を持って入れるように法整備はもう既にしてあるんですね。それが今回うまく使われなかったのは、運用上の問題ではないかというふうに考えております。
 この大阪の件につきましては、居住者の特定ができなかったなどの事例だったということから、裁判官の許可状を得て解錠などを可能とするような臨検、捜索を積極的に活用するべきではないか、そういう御指摘を辻議員からもいただきました。
 この大阪市の事件を受けまして、厚生労働省では、事件後すぐに、全国の児童相談所に、安全確認の徹底及び安全確認ができていない事例の確認及び再検討、これを指示いたしまして、また、安全確認の実施状況の調査や、安全確認が困難な状況での工夫事例の収集などを行い、対応を検討してまいりました。
 そして、八月二十六日付で、臨検、捜索などについて保護者等の氏名が特定できなくても可能であるということを全国の児童相談所に通知をし、また、九月三十日付で、安全確認の実施状況の調査結果を公表するとともに、臨検、捜索の実務が円滑に行われるよう、その実例も記載をいたしました「虐待通告のあった児童の安全確認の手引き」を作成いたしまして、全国の児相に配っているところでございます。
 こうした取り組みの中で、法改正はできているので、その運用がしにくい面をしっかりとフォローしていきたい、そのように考えております。

○橘(秀)委員 ぎりぎりまでありがとうございました。御退席をお願いいたします。ありがとうございました。

共同親権の質問は後回しにされ、その後、時間切れで具体的な質問はなかった。。

 

○馳委員 伴野副大臣、お帰りいただいて結構ですので。ありがとうございました。
 これは国際結婚だけの問題じゃないということは御理解いただいていると思います。と同時に、これは、私は法律の専門家ではないので僣越ではありますが、家裁における離婚の調停が長引く要件というのは、多分子供が絡んだ問題が一番多いと思うんですよ。小川さんもうなずきながら聞いておられますが。
 したがって、一定のルールを設ける、そして第三者、まさしく家裁あるいは調停するような機関、こういったものが入らないといつまででも解決していけない、その間にも子供はやはり成長する、このことを看過していてはいけない。だからこそ、我々はやはり国会議員として、議員立法というふうな形で、こういうのはいかがでしょうか、こういう論点はいかがでしょうかといったことをまさしく提示し続けていきたいと思いますし、最終的に皆さんの御意見がまとまれば、議員立法として委員長提案で提出できればベストだとも思っているんです。
 法務省は、多分、私どもの方に要請をいただく団体は、いわゆる共同親権を旗に掲げている方々も多くおられます。まさしく民法改正にかかわります。民法改正というと、私は十年間児童虐待の問題に取り組んでまいりましたから、親権の制限について、一時・一部制限の問題についてようやく動き始めて、来年にも方針が示されることになっているということも存じております。それほど、五年、十年かかる問題だということをわかっているがゆえに、我々が議員立法として、まさしく国民生活にかかわる大きな問題になっているということの認識を、まず政務三役の皆さんには御理解をいただきたいということです。
 この問題については、ここでひとまずおいておいて。

⇒馳議員はいつも熱心に質問してくれていた。「国民生活にかかわる大きな問題になっている」と指摘。その通り。