2013年に出版された、「子どもに会いたい親のためのハンドブック」を読んだ。編集者は、宗像充氏(共同親権運動の創始者)、青木聡氏(大正大学教授)、蓮見岳夫氏(心理カウンセラー)と共同親権運動ネットワークとある。今から10年前に出版された書籍だが、全く色褪せない、現在でも通用する内容で、どの章も非常に勉強になる内容であったので、お薦めしたい。
共同親権制の法制化を求めている方や、法制化までは間に合わないけども「共同養育」を決着点にしたい方には、第5章「養育プラン」や第6章「共同養育・面会交流の実際」を参考にされるといいだろう。後半の資料には、共同養育計画のひな形も掲載されている。
※ひな形はここにもある↓
今回、このブログでは、第4章「子どもと会うためにできること」を紹介したい。
1、生き残るー子どもと会うための再起・再構築
- 多くの「子どもに会えない親」からの相談で必要と感じることのひとつに、「生き残らなければならない」ということがあります。 大げさな話ではありません。ショックや失意から仕事はおろか日常生活すらままならなくなってしまう人がたくさんいます。体調を崩し起き上がれなくなってしまうことも珍しくありません。 衰弱して亡くなる方や辛さのあまり自殺してしまう場合もあります。それに至らずとも、職を失い、財産を失い(離婚するときに財産分与などで貯金や不動産を処分することが多い)、廃人のようになってしまう場合もあります。
- 子どもと会えるこれからのために、私たちは死ぬわけにはいきません。死んでしまっては現世で子どもには会えませんからね。そして会った時にはできるだけ良いコンディションで「親子」でいられるようにしましょう。 それが、また次の「会えるとき」、その間の「子どもへの関わり」へとつながるのです。会えるためには、まず「生き残らなければならない」のです。
2、子どもと会うための基礎をつくる、効果的な心得と取り組み
①「子どもと会うためにできることをする」という気持ちをはっきりさせる
(1)不本意でも理不尽でも、「今は〜な状態である」と現状を受け止めてみる
(2)ストイックに我慢することではなく、これからのために自分を変えていく
(3)あたらしい知識、経験、対人関係、展望を持つようにする
(4)「子どもに会うまでの間」「子どもに会う時」を考える
②ストレスがあることを認めて対処する
(1)メンタル面
(2)フィジカル面
③経済的に安定する
- お金が人生や世の中のすべてではありませんが、経済的な余裕は「選択肢の拡大」につながります。極端な例えですが、「お金があれば何とかなる」ということも多いのです。すくなくとも「子どもに安定的に会える状態を作る(=生活を安定させて、自分を充実させる)」ためには、何らかの方法での経済的安定は必要です。
3、交渉と折り合いー相手との関係をどうしていくか
①勝つことが目的ではない
- 相手を打ち負かすことが目的ではないということを繰り返し認識することが必
要です。相手に脅威を感じれば、より大きな力でそれに対抗しようとしがちですが、それでは終わらないばかりか、憎悪が増すばかりです。相手はそのことで子どもとあなたを引き離せますが、あなたは子どもと会えるようになるとは限りません。裁判で勝っても子どもと会えなければ同じです。
②相手は他人
③一人で何とかしようと思わない
4、子どもに気持ちを伝えるには
①記録をとる
②手紙を出す
5、自分の気持ちをどう整理していくか
- 子どもに会いたいという感情を批判されることも少なくありませんが、一人で子どもをなしたのではない以上、子どものことを考えるということは、相手の立場も認めるという作業でもあります。何ができるかということは、人によって違います。できることはできる、できないことはできないとはっきりさせて、離れて暮らす親としての子育てのペースをつかみましょう。会えなくても子どものそばに引っ越すというのも一つの方法です。
- 相手の感情に振り回されることが多かったなら、それへの対処の仕方をこちらが身につけるしかありません。 相手は直接変えられないかもしれませんが、相手との関係性や自分の置かれた環境を変えることはできるのです。疲れきっていたり、一人では収拾がつかないと思ったら、人の助けを得ることも、自分自身の人としての幅を広げる手段として肯定的にとらえてもいいのです。 自分に余力があるとき、同じような立場に陥った人に自分がした経験を伝えることで、借りは返すことはできます。環境を変えて休むことも時には必要です。 そうしていくことで、展望を持って計画的に行動することも可能になってきます