miwasan0216’s blog

愛する子供たちのために、理不尽さと闘う父。誰もが幸福な世の中になるために。

佐藤優著「獄中記」を読んで

 佐藤優氏は、ご存知の方も多いと思うが、在ロシア日本国大使館で勤務する元外交官であり、元外務省国際情報局主任分析官として、世界各国で人脈を築き、日本の国益のために働いてきた人物である。特に、ロシア問題においては、2000年までに、北方領土返還と共に、日ロ平和条約の締結に向けて尽力してきたが、残念ながら、現在まで条約締結に至っていない。

 

 その後、2002年5月14日、東京地検特捜部による鈴木宗男事件に絡む背任容疑および偽計業務妨害容疑で逮捕された。これにより、起訴されるまで512日間も東京拘置所で勾留され、最終的に、懲役2年6ヵ月(執行猶予4年)の有罪判決を受け、外務省を失職したが、懲戒免職や諭旨免職ではなく「失職」となるケースは、逮捕された公務員の退職理由として異例と言われている。

 

 後に、佐藤優氏が出版した著書「国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて」には、東京地検特捜部の「結論ありき」の国策捜査を暴き、大きな反響を呼んだ。

 

 前置きが長くなったが、佐藤優氏の512日間に及ぶ勾留生活は、誰が考えても地獄の生活そのものであったであろう。しかし、この時の様子を日記調に書き綴った「獄中記」には、その状況に嘆く記述はない。佐藤優氏の生き様は、現在の私たちの状況に通じるものがあると思い、紹介したい。相手を憎む気持ちは強いが、時が満ちるのも大事な視点だと思う。

 

(P118)

キリスト教神学では、「何事にも時がある。時が満ちて初めて、次に進むことができる。」という時間概念があります。

 

今はじたばたしても仕方ありません。「時が満ちる」のを待って、ひたすら潜在力を付けることが賢明と考えています。

 

他人を憎んだり、人間としての優しさを忘れ、自己中心的になるのではなく、あくまでも人間として崩れずに、「時が満ちる」のを待ちます。

 

 誰もが幸福な世の中になるために。