あるツイッターで、子どもに会えないことを理由に、20代男性が自殺したとの投稿があった。男性の心中を察すると非常に心が痛む。ましてや、遺族の悲しみはいかばかりか。男性のご冥福を心から祈りたい。また、こうした事態を引き起こさないためにも、共同親権制度は必須であると確信する。
厚生労働省が公表した「令和元年版自殺対策白書」から分析した配偶関係自殺率では、男女共に「離別」が原因で自殺することが最も高く、特に、男性においては顕著な傾向が見られている。「離別」の中には、様々な要因はあるだろうが、「子どもに会えない」ということも含まれていることは明らかであると考えていいだろう。
そして、自殺者のうち80%以上が何らかの精神疾患(人格障害を除く)を抱えていたことも判明している。自殺はメンタルの弱さが原因ではなく、精神疾患という脳の機能が異常な状態であることが原因であることも判明している。
つまり、これらの統計から、子どもと会えなくなることで、精神疾患になり、自殺するリスクが高くなるということがわかる。これは単独親権制度の弊害である。
共同親権の国だと離婚後の自殺率は高くありませんが、単独親権の日本だと自殺率が跳ね上がります
— 石井 敏宏(地方議員) (@ishiitoshihiro) 2022年11月19日
また、自殺は根性や決断の問題ではなく、精神疾患との関連が大きいと言われます。
つまり、子どもと断絶になると、精神を病んで自殺しやすいということです。 https://t.co/3x4A40eEuq pic.twitter.com/kRrDBC3KKL
私も、当事者の一人として、家庭問題に直面すると、相談できる場がなく、自分の感情を吐き出すことができなかったり、子どもと会えない悲しみや心配で頭がいっぱいになったりと、仕事どころか、日常生活も送れない状況になった。ましてや、残念なことに、紹介者も理解してくれない状況であった。精神的に孤立してしまう。そして、妻からは、一方的な調停や裁判を起こされたが、裁判官や調停委員、そして相手弁護士も曲者であった。そこには、妻や義実家の本性も、初めから感づいてはいたけども、その直感が当たっていた。もはや絶望以外の何物でもなかった。私も正直、自殺すれば、すべては解決すると考えたこともある。
しかし、周囲で支えてくる人がいて、復活することができた。これは、当事者やその周囲にいる弁護士や家族、良識ある友人でないとわからないことばかりだ。だからこそ、政府が支援して、「配偶者の相談機関」を創設してもらいたい。また、家庭問題に直面したら、躊躇することなく、心療内科を受診し、カウンセリングで自分の感情を吐き出してもらいたい。
私の場合、だんだん精神状況が回復していくにつれて、①「嘆きの心にとらわれるのはやめよう」、②「子どもたちのために諦めずに少しずつ頑張ろう」と、この2点を決めて約1年間戦ってきた。その結果、子どもたちとは月1回会えるようになり、子どもたちとの絆を強めることができた。だが、まだまだ課題はたくさんある。
私は、自殺した方を責めることはしない。私も自殺を考えたこともあるし、気持ちがよくわかるからだ。これは自殺した本人の問題ではなく、単独親権という社会制度に欠陥があることが原因で、本人を精神的に孤立させてしまったことにあると思うからだ。
今、私も適応障害や自律神経失調症から回復し冷静になった時に、思い返したことがある。それは、ドラマ半沢直樹の中で、主人公の半沢直樹が出向どころではすまないかもしれないと、妻の花に話した時に、花が返した言葉を思い出す。
「出向どころではすまないかもしれない。ごめん」と半沢が答えると「だったらいっそのこと辞めちゃえば。銀行員だけが仕事じゃない。そりゃ再就職なんて簡単にはできないかもしれないけど、その間、私が稼ぐから。何があったか知らないけど、もう頑張らなくていいよ。必死で尽くしてきた銀行に、お前なんかいらないと言われたら、こっちから辞表をたたきつけてやんなさいよ。サラリーマンの最後の武器でしょ」
「っていう気持ちでさ。っていう気持ちでいれば、少しは気が楽になるでしょ。仕事なんかなくなったって生きていれば何とかなる。生きていればね」
今が人生のどん底であっても、生きていれば何とかなる。生きていれば、状況が変わり、道が拓ける時が来る。私は少しずつだが、道が拓けつつあると感じている。「もっと早くして」と焦らしたいところだが、カタツムリのようにゆっくりと進んでいる。でも、これでいいと思っている。それだけ心に余裕ができてきたのかなと。